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米国株式市場はどうなる?何に投資すれば良い?

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本年1月下旬から2月初旬にかけ、後述する雇用統計の結果や金利上昇加速の見通し拡大を主因とした米国株式市場の急落に端を発し、世界的に株価は大幅下落しました。

その後、短期筋の買戻しにより2月22日現在では「半値戻し」に近い水準に回復し、「急落は一時的な調整」などの楽観論もあります。

しかし、今般の急落の原因は今まで米国の株価上昇にプラスだった材料の多くがマイナスとして作用したためと考えられ、トランプ政権発足後の株価上昇を帳消しにする可能性すらあります。

1.なぜ、株式は売られたか

①賃金上昇

ここ数年で、大規模な金融緩和が奏功した米国経済の回復と、それに伴う有効需要の伸長による非農業部門の雇用拡大を背景に、雇用情勢は大きく回復し、2018年2月に発表された雇用統計では雇用者の賃金水準が大幅に伸び、リーマンショック以前の水準まで回復しました。

雇用改善と賃金上昇は、本来であれば株価にプラス要因のはずです。
 
しかし、株価は全く逆方向に推移しました。この背景は、今般の賃金の伸び幅が企業利益を圧迫し、企業の業績見通しの悪化に直結する水準であると投資家が判断したためと考えられます。
 
また、この賃金上昇が投資家にインフレ率の上昇と、それを抑制すべくFED(米国連邦準備制度理事会)が積極的な金融引き締めに政策転換することを想起させたことも重要です。

②米国の経済成長の見通し悪化

選挙期間中、トランプ大統領とその側近たちは米国の実質GDP成長率を4%程度まで上昇させることが可能と主張していました。
 
しかし、市場参加者の多くは、今やその主張が過度な期待に過ぎなかったと振り返りつつあります。2018年は後述するトランプ減税の効果が出て景気が堅調に推移して2017年度と同様に2.1%台の実質GDP成長率を維持したとしても、ベース効果(前年度比の分母拡大に伴う成長度合いの希薄化)もあり、2019年は2%を超える実質GDP成長率の達成は難しいものと予想されます。
 
これは、企業が減税の恩恵を設備投資や従業員の賃金引き上げに振り向けず、株主還元や市場シェア確保のための価格引下げなどに費やす可能性が高いことも起因しています。

③トランプ減税の効果への疑問

これまでトランプ減税は企業業績の改善と消費刺激に繋がると捉えられ、昨年12月の法案成立前後に渡り株価にとって大きなプラス要因でした。

しかし、その実態が明らかになるに連れて、減税の恩恵を受けるであろう層が大企業に勤務する一部の高所得者に偏り大多数の人が恩恵を受けるわけではないことと、仮に企業が賃上げを実施したとしても一方でリストラは恒常的に行われているため、減税分が消費に回らず経済へのプラス要因になりにくいことが予想されるようになってきました。

また、居住する州によっては実質増税になる可能性がある人が出てくることが判明しており、この偏りが実体 経済に今後どのような影響を及ぼすかは非常に不透明です。さらに、減税による政府の歳入減が財政赤字の拡大に繋がるというマイナス面もクローズアップされるようになっています。このようなトランプ減税の不確実性が、次第に株式市場に意識されるようになったのです。
 
 ④金利上昇の見通し

減税による政府の財政赤字拡大は、その補填のために米国債の発行が増加する可性があることを示唆します。米国債の発行増加は利回りの上昇、すなわち金利上昇を意味しますが、これは株価に対して決定的なマイナス要因と考えられます。
 
 なぜなら、金利の上昇は債券への投資妙味を高め株式からの資金シフト(すなわち、株式を売却し債券へ投資)を誘引すること、また、金利の上昇により債務者が資金の返済を急ぐことになり支出や設備投資を抑制するため、株価に悪影響を及ぼすことになるからです。

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2.運用戦略はどうするべきか

これまで述べたように、今後、米国株式市場にマイナス面の変動が起こる可能性が高まりつつあると考えられます。そのような中、以下のような運用戦略が検討に値するでしょう。

①国際的に広く分散投資されたマルチアセット

もともと米国株式は既に割高な水準のため、世界的にみても株価下落を誘引するイベントリスク、すなわち政変など予期することの難しい原因による暴落には弱いと考えられます。一方で、米国外の多くの市場は比較的割安感があるため、そうした市場にも資金を振り向けるべきでしょう。特に、REITやバンクローン、コモディティなど、株式や債券の市場の値動きと異なる動きを見せるオルタナティブ資産への投資妙味は高いと考えられます。
 
②株価インバースやベア型のETF

いずれも市場の値動きと逆の値動きをするプロダクトです。配当目的等で現物株式を保有しておきたい場合、ヘッジ手段としても有効です。コストや流動性を勘案すると、ETF(市場で売買可能な指数連動の投資信託のことであり、保有コストが安いことが特 徴)が有利でしょう。
以上

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