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失業率はすでに完全雇用状態!アメリカの雇用統計と米ドル相場の見通しについて

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今での一定の注目を集めているアメリカの雇用統計ですが、5月4日(金曜日)発表の雇用統計をはじめ、最近の雇用統計は一応動きはするもののその値幅は大したことはない、ということが当たり前になりつつあります。
このように雇用統計がFXにおいてあまり重要なイベントとは言えなくなった背景には、アメリカはいわゆる「完全雇用」の状態になったということが挙げられます。
この記事では、最近動かなくなったアメリカ雇用統計に関して「なぜ?」と疑問に思っている初心者の方を対象に、最近の雇用統計の事情や、今後の雇用統計の読み方、また米ドル相場に与える影響について、それぞれわかりやすくご説明します。

最近雇用統計が軽視される背景

2018年5月4日に発表されたアメリカの雇用統計は、非農業部門雇用者数が16.4万人(予想18.9万人)であり、失業率は3.9%(予想4.0%)、また平均時給は0.1%(予想0.2%)と、強弱まちまちな結果となりました。
※雇用統計のデータ(日本語)は、Investing.comなどで過去のものも含め一覧できます。
参考:https://jp.investing.com/economic-calendar/private-nonfarm-payrolls-528
           https://jp.investing.com/economic-calendar/unemployment-rate-300
 
一般にアメリカ(やほかにはオーストラリアなど)の雇用統計は予想通りにならないことが多いため、結果発表に注目が集まり、その結果が予想より良いか悪いかで大相場になることが知られています。
 
しかしながら、アメリカ(FRB:アメリカ連邦準備制度理事会)が2015年12月より、順調に利上げしていく段階に入ると、イエレン議長(当時)も「非農業部門雇用者数は10万人もあれば十分だ」と発言するなど、当局の関心が薄いことが徐々に市場に対して広まっていきました。
 
そもそも、雇用統計が一時あれほどの「一大イベント」だったのは、FRBという金融当局が注目し、その結果に応じて金融政策が変化するであろうと思われていたためです。
 
しかし、現在特に失業率などの数値を見るとアメリカは一つの基準である5.0%を下回り(3.9%)、いわゆる「完全雇用」状態にあるといえます。
つまり、これ以上の状態は望めないのです。
市場はアメリカの景気が良いということは、すでに数年来、前提としてきていることですので、雇用統計の一時的な結果でアメリカの景気を見ようという向きはほとんどなくなっているといえます。

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2018年以降の雇用統計の読み方

2018年におけるアメリカ雇用統計の値幅は、チャートで見ても「雇用統計だとわからない程度」まで小さくなってきていますが、一応発表前後は多少の値動きをします。
そのため、今でもアメリカ雇用統計に際してトレードをするという方は一定数いらっしゃいますので、そこでうまくトレードをするための考え方について2点ほどご説明します。

まず1点目は「雇用統計の結果によって一方向の相場(ワンウェイ)になることは、ほとんどない」ということです。
特に、予想よりも悪い結果が出た場合が顕著であり、1時間程度で元の価格を回復しているということがあります。

つまり、今までが上昇トレンドで相場が進んできている場合には、雇用統計の結果いかんによってトレンドが転換するとは考えず、今までと同じトレンドフォローの考えでトレードをするとよいでしょう。

そして2点目は「非農業部門雇用者数以外にも注目する」ということです。
かつては、非農業部門雇用者数あるいは失業率の数値だけを見て大相場になることもありましたが、最近ではこれらに加えて平均時給などのより実質的な情報や、さらに数値では表しきれない細かなデータまでFRBは見ています。
※前FRB議長のイエレンさんは、労働経済学の研究者でもあったということがおそらく根底にあるものと思われます。

したがって、もしも雇用統計を使ってトレード戦略を練ろうというのであれば、もはや表面上の数値だけを見てもあまり意味はなく、それに対するFRB関係者の発言を踏まえて、初めて理解できるものだと思っておきましょう。 
 

diamond.jp

2018年はドル高の年になるか

アメリカの経済が上向きなことはすでに「織り込み済み」だといえますが、最近までは北朝鮮情勢など政治的なリスクが嫌気されてドルが売られるというという展開になっていました。
 
しかし、ご存知のようにアメリカは6月12日に史上初の米朝首脳会談を実施することを決定するなど、世界を軍事力でねじ伏せるという姿勢は明らかに後退してきています。
したがって、アメリカは経済的にも政治的にも投資の価値がある国であるという見方が強まって、今まで各国に流出していた投資資金が再びアメリカやアメリカドルに戻ってくることが予想されます。
 
特に、2018年4月や5月に入ってからの、ドル円の上昇やユーロドルの下落は、各国の金融政策がアメリカほど明確ではないという考えが広まったことが背景にあります。
したがって、今後アメリカの状態が現状を維持して、各国が金融引き締めに触れきれないということになるのであれば、ドル相場はさらに堅調地合いを強めていくことが予想されます。 

gendai.ismedia.jp

アメリカの現状理解がトレード成功の秘訣!

いかがだったでしょうか。
アメリカは言うまでもなく為替相場の中心的存在です。
そのため、FX投資をする場合にはアメリカの現状についてしっかり理解して、ドル相場の見通しを持ってくことは非常に重要になります。
例えば、今後アメリカの景気がピークアウトするとの見方もありますが、実際にそうした出来事や具体的な利上げペースに影響してくるまでは、ドル高他通貨安を念頭に置いてトレードしてみるのもよいでしょう。