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イタリア政局不安がビットコインの価格上昇をもたらせた理由とは?

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6月になって沈静化しましたが、イタリアの政局不安によってユーロが売られるということが為替市場でありました。
そして、ユーロが売られる一方でひそかに買われていたのが、仮想通貨のビットコインでした。
この記事では、イタリアの政局不安の簡単な概要と、それによってビットコインが買われた理由について、ビギナーの方や初心者の方でもわかりやすくご説明します。

イタリア政局不安とは

イタリアはEUに加盟しています。
しかし、2016年のイギリスEU離脱国民投票で明らかとなったように、EU加盟国の中で反EUの機運が高まっていることも事実です。
実際イタリアでは若年層の失業率が40%もあり、不況にあえいでいる状況にありながら、EUに加盟しているということから、イタリアのことだけを考えた政策をとることができません。

そのため、現在イタリアでは反EUを掲げる「五つ星運動」というポピュリスト政党(大衆に迎合した政党の通称。単純でわかりやすいスローガンを掲げて若者の心をつかんでいます)と「同盟」という極右政党が力を持ってきています。
しかし、イタリア議会ではいずれの政党も単独過半数を獲得できていないことから、政権の樹立に支障が出ており、上記の「五つ星運動」と「同盟」による協議がなされていました。

しかし、なかなか話し合いがまとまらず、再選挙となる見通しが強くなりました。
これによって、イタリアに関して地政学リスク(その地域の抱える政治的・軍事的なリスクのこと)が発生したとみられたことで、為替相場では一時ユーロが売られるということになりました。

結局のところ、上記2党が連立政権となることで合意がまとまり、リスクは回避されてユーロは買い戻される動きとなっています。
ただ、長期的に見れば反EUの連立政権ができたということですから、財政政策などでEUとの方針の違いが鮮明になると、今度はイタリアのEU離脱問題が叫ばれるようになり、過去のイギリスやフランスの場合と同じように再びユーロに関する政治的なリスクな高まる可能性があります。

manebu.net
chino-sommelier.jp

リスクオフ相場でビットコイン高に

この一連の動きの中で買われたのは、日本円や米ドルに加えてビットコインでした。
ビットコインといえば、ブロックチェーンという技術によって国や中央機関による束縛を受けない、新しい形態のお金として注目されています。
※ブロックチェーン技術は、「マイニング」という取引の承認作業を行う人々によって支えられており、これまでビットコインのブロックチェーンがハッキングされて改ざんされるということは起こっていません。

中にはビットコインのことを「デジタルの金(ゴールド)」と呼ぶなど、万が一の事態になっても価値を失わない通貨だと考える人もいます。
実際にビットコインが仮想通貨の代表格として認知されてきたここ数年で、金(ゴールド)と同じように、リスクオフ相場で買われてきたことは見逃せません。
※「リスクオフ」とは、何か政治的・経済的な危機が発生して、人々がリスクのある投資を控えたり、撤退したりする状態のことを言います。対義語は「リスクオン」です。

実際、今回のイタリア政局不安でもビットコインは買われました。
5月29日に79万円という安値を付けた後は、じりじりと買われていき6月3日は85万円まで上昇しました。
これまでも、ビットコインは北朝鮮のミサイル発射などのアジアでの地政学リスクの高まりの際にも価格が上昇しており、このたびのイタリア政局不安においても買われたということは、現在においてもビットコインを安全資産だと考える人々が一定数以上は存在するということを意味します。

www.ktspotbo.com

今後リスクオフ相場と仮想通貨市場の関係はどうなるか

仮想通貨といえば、2017年末から2018年初頭にかけてバブルの最盛期を迎えましたが、現状において価格変動は落ち着いており人によっては魅力が減少したというように見られることもあります。

確かに価格が暴騰して暴落した直後ですから、今からビットコインを購入して短期間で資産を倍増させようということは難しいかもしれません。
しかし、価格変動が依然と比べて落ち着いたということは、それだけ投資商品としての価値は上がったということもできます。

今後も為替相場では戦争や紛争、あるいは金融危機などリスクが増大する事件が起こると思われますが、その際には逃避先としてビットコインなどの仮想通貨が選ばれる可能性があることは、覚えておいたほうが良いでしょう。

リスク分散として仮想通貨は今後も生き続けるか

いかがだったでしょうか。
仮想通貨市場は、今後はバブルのように一時的に盛り上がる商品になるというよりは、万が一の時の安全資産としての地位を確立していくかもしれません。
そのため、資産の一部を(増やすというよりも)防衛するためにビットコインなど主要な仮想通貨に替えておくことも、投資戦略として有効になると考えられます。
また、現在はビットコイン=仮想通貨という位置づけですが、今後はイーサリアムやリップルなどほかの仮想通貨が台頭する可能性も十分にあるため、仮想通貨の勢力争いについても注意が必要です。