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最近の日銀発表に注目が集まらない理由とは!?

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6月15日には、日銀の金融政策が発表されましたが、前日のECB(欧州中央銀行)や前々日のFRB(アメリカ連邦準備制度)と比べると、反応は微々たるものでした。
しかし、かつては日銀発表に世界中が注目していた時期もありましたから、往時を知る人にとっては「どうしたのだろう」と思われるかもしれません。
この記事では、日銀発表とそれに対する相場の反応に対する現状についてご紹介した後、かつて日銀が注目されていた理由や、現在注目されていない理由についてわかりやすくご説明します。

最近の日銀発表後の相場

最近日銀の金融政策が発表になったのは、6月15日です。
日銀の金融政策は、ECBやFRBと違って発表される時刻が決まっていません。
会合が行われて、決定次第すぐに発表ということになっているからです。

ただ、発表時刻によって何か重大なことが発表されるのかどうかということはある程度予測することは可能です。
具体的には11時台に発表される場合には、現状維持などのあまり内容のない発表となることがほとんどであり、逆に12時半を過ぎても発表されない場合には、何か重大な発表があるということで、市場がざわつき始めます。

ただし、今年に入って発表が12時までずれこむことはなく、6月15日の会合でも結果発表は11時40分ごろでした。
そのため、値幅もあまり大きくならずおよそ20銭程度円安に振れただけにとどまりました。
また、午後3時から行われる黒田総裁の会見も市場の注目を集めることはほとんどなく、相場もいつもと変わらない様相を呈していました。

ただ、逆に言えば日銀発表があると思われる11時台にドル円を買っておけば、20銭程度はほぼ確実に取れるということで、FRBやECB発表と比較して、相場の難易度としてはあまり高くないということもできます。

www.mag2.com

かつて日銀発表が注目されていた時期

現在では上記のように、日銀発表が注目されることはほとんどありません。
しかし、過去には日銀の発表に向けて相場が大きく動いた時期もありました。

1つは、2013年から2014年にかけて、日銀が次々と緩和政策を打ち出していった時の相場です。
この時は、発表が12時を過ぎると相場はなにか劇的な緩和政策が発表されるのではないかと注目し、また結果予想通りの発表になると円安に振れていたものです。

特に2014年10月末の追加緩和発表の際には、その日だけでドル円は3円も円安になるなどの大相場となりました。
※この追加緩和のときには、1日のみの会合だったにもかかわらず、マネタリーベースの増加ペースを80兆円に増加させたり、その他長期国債やETFの買い入れを拡大させるという大規模な決定がなされました

もう1つの時期は、2016年前半にかけての時期で、この時は逆に何も発表されないことがサプライズとなって急速に円高が進みました。
ですから、10時台や11時台になるとドル円は何も発表されないことを見越して、売られていったり、逆に12時台になると何か発表されるのではないかということで急速に円安になるなどの、大荒れの相場となりました。

ただ、そうして注目を集めた日銀発表もYCC(イールドカーブコントロール:長短金利操作を通じて、金利相場を調整する政策)が2016年9月に導入されて以降は、これ以上の金融政策はできないと市場が判断したのか、あまり結果発表に対して思惑が交錯することもなくなりました。

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日銀が注目されていない背景

このように日銀が注目されていない背景としては、肯定的な理由というよりはネガティブな理由のほうが容易に思いつきます。

それは、日銀が物価目標を未だ達成できていないからです。
日銀は、現在の黒田総裁になってから実に5年もの間「2%の物価上昇率を○○年までに達成する」ということを打ち出しておきながら、いまだ達成することができていません。

しかも、今年に入ってから「○○年までに」という物価目標の達成時期を削除するなど、事実上現在の緩和政策の目標を放棄する動きが目立っています。
となれば、日銀の金融政策は「出口なき迷路」に陥っているとみることができ、市場としても日銀は金融政策をこれ以上進めることも、逆に解除することもできないため、新たに期待できることはないと考えるのが自然です。

また、6月15日の金融政策発表では、一部の出席委員から物価目標達成に対して弱気のコメントも出ており、日銀の金融政策はさらに膠着していくことが予想されます。

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今後の日本円の行方は不明瞭

いかがだったでしょうか。
アメリカやEUが具体的な金融政策の道筋を描けている中で、日銀の金融政策だけが手詰まりになっているのは、日銀の金融政策に依存する身としては歯がゆいといわざるを得ません。
ただ、FXとしては日本円の事情はしばらく考えなくてもよいということであり、単純にリスクオン(世界的にリスク後退して投資しやすい状況)になった場合には円売り、反対にリスクオフ(世界的にリスクが意識され投資が難しい状況)になった場合には、円買いで対応することができるということでもあります。
今後日銀が金融政策を変更することはしばらくなさそうですが、毎回の日銀の発表や黒田総裁の会見はそれなりに緊張感をもって注目しておくとよさそうです。