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アメリカ中心の貿易戦争はドルの価値に影響するか!

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トランプ大統領になってから、しばしば「トランプリスク」といって喧伝されてきたリスクが、2018年になって顕在化してきています。
それは、かつての「強いアメリカ」復活を目指して、各国に貿易戦争を吹っかけるというものですが、これによって為替相場にも影響が出てきています。
この記事では、アメリカが現在行っている(行おうとしている)貿易戦争が具体的にどういうものなのか、ということについて初心者の方でもわかりやすくご説明します。

そもそも貿易戦争とは?

貿易戦争とは、貿易に対して政府当局が何らかの制限を掛けることによって、貿易量を調整するという行為を、貿易を行う両国がエスカレートさせていくことで、あたかも貿易による利益をめぐる戦争のような状態になることをいいます。

具体的には、輸入量に制限を掛けたり、あるいは高い関税を課すことによって行います。
※相手国が関税をかけてきたことをきっかけに、報復として高い関税を課すことを「報復関税」ということもあります。

貿易戦争の原因としては、それ以前に「貿易摩擦」という状態が存在していることが多いです。
貿易摩擦とは、貿易による利益(貿易黒字)が一方の国に偏っており、他方の国は貿易赤字が著しい状態のことを指します。
かつては、日米間での貿易摩擦が問題になった時期もありますが、現在は日本の国際的な地位が低下したため、主に中国がやり玉にあがることが多くなっています。


それは、中国が今やアメリカに次ぐ世界第2位のGDPを誇る国に成長したことに加え、一部の国が指摘しているように過剰生産・過剰消費によって経済を爆発的に拡大していることなどが理由だと考えられます。

アメリカの貿易戦争の相手

2018年6月現在、トランプ大統領が貿易戦争を吹っかけている国や地域は大きく分けて3つあります。

1つは、中国です。
かつては、アメリカの貿易相手国といえば日本でしたが、現在ではアメリカの貿易赤字の半分程度は対中国での貿易になっているからです。

アメリカはすでに中国からの輸入品に対して高い関税を課すことを決定しており、状況によってはさらに関税を上乗せすることも検討中です。

また、中国政府当局もアメリカからの輸入品に対して報復を表明しており、一歩も引かない姿勢を崩していません。

今後適切な及第点を見つけることができない限り、米中間の貿易戦争はさらに過熱していくことが予想されます。
※トランプ大統領の地位の安定や、中国の経済体制に世界が歩み寄るか、あるいは中国が安定成長期に入るか、または米中両国が利益を上げられる投資が現れる、などがあれば貿易戦争は緩和するのではないでしょうか。

次に、米欧間の関係も悪化しています。
アメリカは、すでにEUからの輸入に対して高関税をかけることを決定しています。
EUとしてもアメリカの対応を不満に思っており、WTO(世界貿易機関)への提訴とともに、報復関税も検討しています。

WTOへの提訴では、主にアメリカが世界の公正な国際貿易ルールに違反するということを主張する予定となっています。
※ただし、WTOでアメリカに不利な判断がされたとしても、トランプ大統領がそれに従うかどうかは不明です。

また、アメリカの隣国に対しても貿易戦争の火花は散っています。
例えば、カナダやメキシコです。

これらの国に対してもトランプ大統領は、鉄鋼やアルミニウムに高関税をかけるということを発表しており、これをうけてアメリカ・カナダ間、あるいはアメリカ・メキシコ間の国交は急速に悪化しています。

両国は報復措置の計画をすでに発表しており、またアメリカに対して非難も行っています。
ちなみに、日本は現時点ではアメリカと貿易戦争はしていませんが、日本の為替政策をはじめとして、批判を受ける材料はあるため予断を許しません。

toyokeizai.net
www.newsweekjapan.jp

トランプ大統領の狙いとは?

トランプ大統領が、なぜここまで強硬な姿勢に出るのかといえば、勿論彼の政治的な理念もあるのでしょうが、ほかにも目的はありそうです。

というのは、2018年はちょうどトランプ大統領が当選してから2年に当たり、中間選挙が行われる時期に当たるからです。
中間選挙は、今年の11月にありますが、この選挙では上下両院議員および州知事などが選出されます。

この選挙結果自体が、ただちにトランプ大統領の地位に影響するとは言えないのですが、ちょうど当選から2年たった状況での、トランプ大統領に対する世論を示すといえるため、2020年の大統領選挙に向けた試金石になるものです。

そのため、トランプ大統領は支持母体であるアメリカの労働者階級の支持を得るために、アメリカの向上を再稼働させて、彼らに仕事を与える必要があります。
アメリカが貿易戦争を行って輸入量を制限すれば、それだけ国内産業が盛んになる必要があり、そうなれば国内労働者の職が安定する、ということですので、トランプ大統領が貿易戦争を行うメリットは十分にあるといえるのです。

ドル相場への影響は?

いかがだったでしょうか。

貿易戦争は、各国の国内外に対する政治的な思惑が交錯するためわかりづらいですが、大体上記が貿易戦争を理解する前提知識です。
為替的には、貿易戦争は「リスクオフ」といって、米ドルや日本円が買われ、他通貨は売られるきっかけになりそうです。
ドル円では、若干円高になりそうですし、また中国の情勢と相関のある豪ドルに関しては、対ドルや対円で下落することが予想されます。
あくまで長期的なトレンドですが、参考までにトレードをしてみることをお勧めします。

www.bloomberg.co.jp
www.nikkei.com